生贄
キャラ スケッチ
ふと思いついたお話をザッと書き連ねてみつつ、呪詛を受けた後、四肢を損なう前の女。
話に合わせるなら、もっと鬼気迫るような悪辣な顔でも良いかもしれず。
供物
なんとか完成。
これもまたネタ考えつつキャラ描いたりしてまた。
メモ:
果てしなく強い魔力を秘めているものの、脆弱な身体のためにそれらを使いこなすことも叶わず、かえりみられることもなく、地を這い続ける宿命だった魔界の一種族のある女。
力ある者達に乞い願い、魔力を使えるだけの肉体を与えてもらう事に。
しかし、その代償に美しい身体に醜い呪詛の痣を植え付けられる。
それでも念願の力を手に入れた女は、魔界で頭角を現すようになるが、それでも肉体の限界による壁が大きくその野望の前に立ち塞がる。
今一度、女は力ある者達に肉体の限界を超えることを願うが、もう差し出すものは何も無かった。
力ある者達は戯れに女の望みをもう一度叶えてやることにするが、それは皮肉な一面をもっていた。
儀式と言っては、女の四肢を噛み砕き千切り取っていく。
激痛に耐え強大な野望を支えに辛うじて生きている女から、最後に魔力を操る両腕を奪い去った。
絶望の底に叩き落とされた女は絶叫し、約束が違うと訴える。
その声に力ある者達は告げる。
お前の望みは五体満足では叶わぬ事。肉体を失い、それでも激しい精神の力で魔力を操る事が出来れば、お前を苛むその魔物達さえ退ける事が出来よう。
だが、それも叶わぬようだ・・・もう終りだ、ちっぽけな存在よ。
女は絶望の底にその命の灯火と共に消えて逝こうとしていた。
しかし、暗闇の底にその闇よりも暗い焔がゆらめいていることに気がついた。
焔は激しく揺らぎ燃え上がり、出口を求めて女の中を駆け巡り、ついに魔力の源泉の扉をこじ開けた。
死にかけていた女の身体から恐ろしい程の魔力の奔流が溢れ出し、それは女を陵辱していた魔物やそれを操る力ある者達さえも貫き砕け散らせた。
後に残された女は静かに骸の山の上に降り立つ。
力も使い果たし死を待つばかりだったが、不思議と満たされていた。
最後の時、一瞬ふと一度も行ったことも無い地上、それを制覇する夢を見た。
魔界から地上へ抜ける道は閉ざされて久しい。かつてそんなものがあったことすら誰もが忘れてしまった程に。
こんな時にそんな御伽噺を・・・そう思って目を開けた時、女は虫の声と風の渡る音だけが支配する草原の只中に立っていた。失ったはずの両の脚で。
見れば腕も元に戻っている。いや、正確には元の自分の腕や脚ではなかった。
だが見覚えがある。そう、自分を戯れに弄んだ力ある者達の腕や脚だった。
女はそれらを恐る恐る動かしてみる・・・動く。
寧ろ、眠っていた力をより身近に感じられるほど身体に馴染んでいた。
この力で地上を制覇しろということなのか?・・・そう、自問してみる。
ふふ、まずはこの新しい世界を新しい両足で見定めてみるとしよう・・・
そう呟くと、女は草原に覇業の第一歩をしっかりと踏みしめた。
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